平成３０年（２０１８年）４月より、称念寺の門前にある伝道掲示板を、住職より若院が引き継ぎました。

　門前の新地通りは、知立市街を南北に通る通行量の多い幹線道路で、買い物や保育園の送迎の方もあります。寺の門が地域全体に広く開かれるよう、先達や他人の言葉の引用はせずに、自分なりの簡潔な表現で伝えたいことを言葉にしていきたいと思っています。

　迷った時、悩んだ時、苦しい時、嬉しい時など、ふとした時に言葉が引っかかるということは、大事なことです。一人でじっくり考えることは、自分の人生に向き合う時間でもあります。仏教の教えが、皆さんが大切に人生を生きることのヒントになれば幸いです。

• 「ありのまま」の反対　老いたくない　病みたくない　死にたくない

• その苦悩が　あらゆる人の　問いとなる

• 自己中心が　自分も他人も　傷つける

• 人間関係の問題は　思い通りにしたい　我が心

• 死ぬことのない　いのちはない　さて、どうするか

• 自分が正しいと　思う善人ほど　嫌われる

• 私が私で良かったと　真っ直ぐに言えますか

• 人間は　口を開くたび　自我が顔をだす

• 自分も家族も　わかったことにしない　これが大事

• あなたの　最も深い願いは　何ですか

• お盆の意味は　倒懸　大事なものは　目に見えない

• 飾らない私　そのままの私　大事にしてますか

• いのちを見失うと　他人を評価し　自分の評価を恐れる

• 先祖のいのち　１０代で千人　２０代で百万人　３０代で十億人

• 良い悪いに　真実はない　人の都合が決める

• 身勝手に　思い描いて　腹立てる

• 苦悩の因も　失えば　大切なことばかり

• 生きることは　耐えること　求めること

• 傍らに人がいる　そのことだけは　寺で教えられる

• 他人の欠点に　我が身を見出す　智慧の眼

• 自分の生き方に　ごめんなさいと言えたら　たいしたもんや

• 感謝とは　共に痛む心の　ない世界だ

２０１９年

• 世界中の人が　与えられたご縁を　生きている

• 見失ってばかりの　二度とない世界　今、ここ、私、人

• 価値観こそが　世界と出遇いを　狭ませる

• 他を責める間は　見えていない　自分中心の心

• あいつはダメ　こいつは変　自分を抜くと　みな評論家

• 寺へ参ると　心が清まるのでなく　汚泥を教えられる　そこに蓮が咲く

• 何事も　決めつけてならん　我執が故に

• 都合の悪い者を　悪とする　善悪の物差し

• 比べる心は　勝っても負けても　悲しい心

• あいつもこいつも　自分の関心ばかり　実は私も同じ人

• 世間に見せる　着ぐるみの中身は　何ですか

• 生まれた　色々あった　死んだ　これを空過という

• イライラするのは　思い通りにならん　他人のせいでない

• 迷惑をかけたくない　人に謝りたくない　頭が下がらん傲慢

• 人と話すほど　分かり合えない　悲しみに聞く道

• 快適を求め　便利になるほど　我が儘になる

• 真宗の寺の利益は　ご利益を求めずに　生きる道である

• 善を為しても　やってやる思いが　また諍いを生む

• 清く正しく　美しく生きれない　我が身を聞く

• あらゆる出会いは　自分が先に死ぬか　必ず死に別れる

• 災害で　人が死んでも　有り難い　凡夫に真なし

• できる・できないの　価値観の外側で　あなたのまま尊い

• 死ぬのが明日なら　今日何を大事に　生きますか

• 生まれたはご縁　死ぬのは必定　生きるは何のため

• これで良しが　最も危うい　無明の只中

２０２０年

• 謹賀新年　道を求めると　今年も新たな　世界に出遇う

• 大海を渡るに　泳ぎ方習うより　大船に乗るべし

• 私はこう思う　それだけで他人を　傷つけ貶める

• 批判や愚痴　怒ってばかりは　正しい人

• 生まれも死も　選択の余地なき　在るがまま

• 人は皆　本当の自分に　出遇いたい

• 調子の良い時に　見えない世界が　本当の世界

• 求め過ぎは　手に入らない　苦しみを生む

• 病気で死ぬ　そのこと以上に　大切なこと

• もったいないが　仏と縁から物になり　金と時間になった

• 共に生きる　これが難しい　人間の愚かさ

• 争いの心中　我は善なり　汝は悪なり

• 移りゆく季節　過ぎ往く人生　二度とない今

• 害虫・損害・害悪　害を作り出す　私の都合

• 生きること　死ぬことに　延期・中止なし

• 注意すべし　自分にとっての右は　目の前の人の左

• 苦しい時　見える与えられし　我が世界

• 都合を超え　老いと病気で死ぬ　命の道理

２０２１年

• 地図見ても　居場所わからぬと　迷い続ける

• 語り合い　認め合い　共に生きよう

• コロナ消えても　老病死の問題は　避けられない

• 「私」のそとの　世界は圧倒的に　広く大きい

• 凡そ物事の　苦悩する原因は　私の都合

• 比べる心は　尊さを見失う　悲しい心

• 病気で死ぬ　当たり前のことが　そうでない私

• 今日一日　自分の価値観　押し付けない

• 善悪の裁判長　自己中心の正しさで　世界を斬る

• 墓前にて　改めて問う　わがいのち

• 聞かすより　まず耳を傾けて　聴く違い

• 便利で快適　ウイルス一つで　崩れ去る

• 頑張ることも　頑張れないことも　どっちも大事

• やりくりばかり　その人生全体を　「空過」という

• 自分とは何か　見つめ続けると　世界に目覚める

• 私の現実の　苦悩と迷いが　釈迦の出発点

２０２２年

• 人間の都合で　自然を眺めると　善か悪となる

• 老いも病気も　死までも含む　尊い命

• 死に別れに　悲しみのない　人生は寂しい

• 善も悪も　そこに至る背景を　業縁という

• 自分が正しい　あいつが悪いと　殺し合う人間

• 苦の原因は　全て思い通りを　求める心

• 何点か　良いか悪いか　意味あるか　命を評価しない

• 自分の「善」　同調を求め　強要しない

• あと何年　終わりで気付く　一期一会

• 想いや言葉　通じない世界を　地獄という

• 私のいる世界　私のいない世界　どちらも大事

• 人間の共通点　煩悩があるから　みな苦悩する

• 頑固一徹　ひとり大満足　まわり大迷惑

• 失って初めて　気付かされた尊さを　また見失う私

• 終わった過去　わからない未来　二度とない今

• 目の前の　あなたか私が　先に死ぬ時

２０２３年

• 他人を責めた　同じ弱点が　私にもあった

• 決めつけが　分かり合えない　関係を生む

• 限られた　時間のなかに　出遇いあり

• 「私」の主張　人に嫌がられる　一番の理由

• 出遇い得た　同じ人をずっと　大切にしよう

• 手を合わす　自分に向き合う　深くいただく

• そのままで　居られる場所を　みな求める

• 大事な人　大事にしてますか　一期一会

• 当たり前の　今日も明日も　二度とない

• 亡き人から　与えられし恩　忘れていた私

• 寺へ参ると　心は洗われないが　汚れが見える

• 私が正しい　思う善人ほど　争い絶えず

• 戦争を眺め　日本は平和だと　喜ぶ人の罪

• 世の現実に　人間の愚かさが　具現する

• 過ぎる日々　あと何度その人に　会えるだろう

２０２４年

• 自己中心　近くで泣いている　人が居る

• 常日頃　これが最後と　思うべし

• 私が生まれた　その前に生きた　いのちがあった

• 人の気持ち　見えないけれど　そこに在る

• 「まさか」がある　思い通りにならぬ　人生の相

• 死ぬ前に　本当に大切なこと　何ですか

• 「ともに」とは　自分の都合より　人の気持ち

• 都合が悪いと　ただ異なる人が　「あんな奴」

• 頭を下げない　迷惑をかけない　寂しい心

• 一度きりの命　掛け替えのない命　死別する命

• 頑張るほど　孤独になりゆく　自己中心

• いつ死ぬか　あなたも私も　わからん命

• 身勝手な　都合とはいえ　煩悩消えず

• 必ずある　人を責めるとき　私の「我」

• その正しさ　あなたの価値観　押し付けない

• 喰うか　食べるか　いただくか

２０２５年

• 諸行無常　忘れてばかりの　有り難さ

• 何気ない　今この瞬間も　一期一会